
ヒップホップ・アーティストとして、現在日本で最も成功しているであろう AK-69 さんが、インタビューでこんなことを言っていました。
犯罪に手を染めない理由としてユニークですが、この台詞はつまり、自分は自分にしかできないことをする。自分にしか出せない価値を出すことに意味がある、とも受け取れます。
ぼくは今のメンバーと仕事をするようになってから、以前とは比べ物にならないほど、仕事に対する UX が高いです。仕事とは思っていないほどです。
なぜ、そんなにもハッピーに(そして以前よりも生産性も高く)なったのか。キーワードは「誰でもできる」です。
その人にしかできない仕事
幸せなことに「ぼくにしかできない仕事」「ぼくだから頼まれる仕事」しか、今は請け負っていません。厳密には、そんな仕事はないこともわかっています。ぼくがいなかったなら、別の誰かがその仕事をやっている可能性は多いにあります。けれど、今周囲でぼくを知る人は、ぼくだからできる仕事(だけ)を頼んでくれます。
そうすると、もちろんぼくの仕事 UX は高まります。やりがいや充実感もあり、かつ、自分の能力の輪の範囲内のことなので、生産性も高いです。少ない時間で高いパフォーマンスが出せます。
でも、重要なのはここからで、問題は「ぼくが」他の仕事メンバーを「誰でもできないことをやっている人」と思えているかどうかです。今回一番伝えたいことは、これです。
特別と特別をやりとりする
ぼくの仕事 UX が信じられないほど高く、かつそれがきちんと成果にも反映されている理由は、
(1)ぼく自身が「自分にしかできないこと」に集中している
(2)関わる仕事メンバーに対し「その人にしかできないこと」をやってくれていると、感謝と尊敬ができている
の2つだと思っています。残念ながら、一般的な会社では逆のことが起きています。自分への依頼は「誰でもできる」仕事だと思い、自分も他の人を「誰でもできる」仕事をやっている存在だと(明にも暗にも)認識する。つまり、そこに特別と特別の交換がありません。
だから、つまらないのです。
まずは相手の認識からあらためる
「そうはいっても、現実に『誰でもできる』仕事なんだから、仕方がないじゃない」
と思われるでしょうか。でも、あなたが仕事相手に対して、「この仕事は、この人にしかできないし、そんな仕事を求めている」という姿勢であれたなら、あなたの仕事 UX が変わるどころか、周囲に対するあなたを見る目も変わるはずです。
その結果、あなたには、あなたにしかできない仕事が増えていく。
きれいごとでしょうか。でもぼくは、そう思ってます。そう生きてます。
「誰でもできる」ことをやらない。依頼しない。