モンハン2000時間から学んだ、拡張性とUX
2021.06.09

モンハン2000時間から学んだ、拡張性とUX

総プレイ時間、2000時間

 ついに買ってしまいました、Nintendo Switch。10年ぶりに『モンハン』をやるためです。

最高のエンターテイメントですよ、『モンスターハンター』。もともとゲーム好きな学生時代でしたが、そこに一人暮らしが掛け合わさると……沼が口を開けて待っています。朝も昼も夜中も狩り続け、プレイタイムが2000時間ほど経過した時に、ふと、当時の彼女に問われました。

「2000時間やって、なに学んだの?」

誠に遺憾ながら、小一時間は言葉を返せなかった僕の狩人(ハンター)人生は、そこで一旦のピリオドを打つことになりました。

“完全版”から“拡張ありき”へ

 昨今の据え置き型ゲーム(SwitchやPS5)やスマホゲームを、10年前のそれとを比較したとき、最も顕著な違いは「ソフト(ゲーム)に『拡張性=アップデート』がある」という点が挙げられます。

『モンハン』を例に取ると、新しいクエスト(冒険のステージ)や強いモンスターが「発売後に」配信(アップデート)されます。こういったやり方について、当初はアップデートが有料だったこともありネットでは「全部開発してからリリースしろよ!」やら「どんどん課金させる守銭奴会社め!」やら、ネガティブコメントが多数書き込まれていたのを覚えています。

それ以降、各社ユーザーの声を受け、現状はアップデートは基本無料になりました。

人やサービスも、同じ流れに

 テクノロジーの進歩によって、あなたや僕の知識は拡張しやすくなりました。

スマートフォンのアプリやサービスは、基本的にバージョンアップを前提にリリースされています。アプリなどのソフトウェアが、スマホ本体のようなハードウェアよりも拡張が容易なように、人の知識も大胸筋や腹筋といったハードウェアよりも、アップデートさせるための期間や労力(コスト)が低くなります。
社会全体はDXへの要望もあり、今後もこっちの流れなんだと思います。。

個人的には好きな流れ。だけど、ちょっと違和感もある

 拡張性の無いものは市場から去る。そうすると新陳代謝が今より起こり、僕たちやその下の世代により多くチャンスがめぐってくる……はず。

一方で、ずっと拡張し続けるのは結構しんどい。人間には環境変化を生き残る過程で得た「恒常性維持機能=ホメオスタシス」があるからです。

ホメオスタシスとは、生物体または生物システムが間断なく外的および内的環境の変化を受けながらも、個体またはシステムとしての秩序を安定した状態に保つ働きをいう
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)

また、最近「ユーザーファースト=ユーザーの言うことは絶対」と捉えている企業も少なくないですが、これは半分正解で半分間違いだと思っています。「間違い」の理由はこの記事にあるように、ユーザーは自分の理想のサービスを認知していなかったり、コメントを残すユーザー動機から、母数の重み付けをする必要があるからです。

「じゃあ、どうすんの?」

それについては、日本一利益を上げている企業の社長から、そのヒントを得られます。

アートな領域を持とう

 アートとデザインの定義はさまざまありますが、「デザイン=問題解決」はおよそ世間で合意が取れています。

では一方で「アートは?」というと、僕は「他の人にとやかく言われても『いや、こっちのほうが私はいいと思うので』でOKなもの」と認識しています。

トヨタの現社長である豊田章男氏は、SDGsの観点からEV車の開発を進めながら、個人では「エンジンが爆音でガソリン臭い車が好き」と公言し、そういった車をサーキットで乗り回しているそうです。

あなた自身のサービスや仕事、なんなら趣味でもOKです。ほんの少しだけ、アーティストのようなこだわりを持つとしたら、どんなところでしょうか?

合言葉は「とにかく、好き!以上!」

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