それでも“Paypay♪”は嫌ですか? 花粉症とヤクルトから思い知る、一挙四得のテクノロジー活用
2021.03.10

それでも“Paypay♪”は嫌ですか? 花粉症とヤクルトから思い知る、一挙四得のテクノロジー活用

職場という名の経済圏

 在宅勤務。業種や職種によりけりではありつつも、驚くほど浸透しましたね。かくいう私も、(コロナ以前は他人事でしたが)今や在宅勤務とオフィス勤務のハイブリッドな毎日です。

そして思い知ったのは、働く場所とは、そのまま生活する場所なのだということ。それゆえに久しぶりにオフィスに行くと、行きつけのランチはどうなっているのかや、あそこ閉店したのかや、おやおやデリバリー始めたんですね等など、仕事以外にも気になる事がたくさんでてきます。

そういった生活の変化は、そっくりそのままお金の使い方にも影響します。例えば私の場合、交通費の支払いは激減、外回り中のコーヒー代も激減、ランチ出費は半減しました。「働く場所が変わると、こんなにも自分のお金の使い方が変わるのか!」とびっくりします。

神様、仏様、ヤクルト様

 今年も花粉症の季節がやってきました。通勤・外出が減ったとはいえ、ゼロではありません。ゆえに、外出は避けられません。

目のかゆみは毎度のことですが、くしゃみと鼻水はマスクをしていても憚られるこのご時世。どうにかつらい症状を緩和するべく、朝晩の薬をはじめ、発酵の力にあやかろうと納豆も食べるしヨーグルトも飲みます。忙しいわけではないけれど、猫の手も借りたい、いや乳酸菌の手も借りたいとはまさにこのこと。なにかが効いてくれることを切に願う毎日です。

「今日も花粉、きてるなあ」と、げんなりしながらオフィスで仕事をしていると、来訪者のチャイム。時計に目を遣ると、ちょうどお昼どきでした。いつものヤクルトお姉さん(移動販売)です。

民間信仰と言われようと、乳酸菌はなんだか花粉症にも効く気がします。いや効いてほしい(切に)。とにかく身体を整えたらマシになるかもしれません。神にもすがる気持ちで、私はお財布握りしめて玄関に向かいました。

どちらも悪くないのに申し訳ない

 定期的に来てくれるヤクルトのお姉さん。前回はちょうどよい小銭がなく「現金だけですか?」と恐る恐る聞いてみました。お姉さんは少し困った顔で「そうなんですよー」との返事。「現金扱いが減るといいですよねえ」と立ち話をした記憶があります。

移動販売での買い物は、財布の中身をそっとのぞいて、ちょうどよく出せるかどきどきします。「すみません、壱万円札しかないんですけど……」という申し訳ないセリフを、私も何度か言った覚えがあります。

一方で売り手側、仮にヤクルトお姉さんはどんなことをしているでしょう。販売前に金種をそろえ、小銭が切れないようにするのはもちろんのこと、購入時には現金計算とおつりの計算を手渡しで行い、帰ったら金種を数えて再整理しているはずです(自動計算機があることを願うばかり)。

移動販売における現金 vs QR

 今はコロナでモノの移動に抵抗ある方もいるだろうなあ、などと思いつつ、今日も訊いてみたのです。「ペイペイ使えますか?」と。

そしたらなんと、お姉さんの顔がキラーンと輝いて「使えますよ!」とおっしゃるではないですか。なんと先月からこちらの営業所でも使えるようになったとのこと。

すぐさま財布をスマホに持ち替えて、ヤクルトお姉さんがさっと見せてくれたQRコードを読み取り「ペイペイ♪」させていただきました。グッジョブ!ヤクルトさん!

それでも“Paypay♪”は嫌ですか?

 QRコード決済(キャッシュレス決済)、移動販売での現金の取り扱いを少なくしたり、さらにいえばゼロにすることも可能なはずです。QRコードさえあれば良いのですから。

私(消費者)からすれば、手元に現金がなくてもOK、おつりで財布が圧迫されたりもしない。なおかつポイントまでもらえて一挙三得(ヤクルトお姉さんの手間も省けて一挙四得)。

他方、現金を運んでいるヤクルトお姉さんにとってはどうでしょう。私も経験がありますが、仕事で現金を持ち運ぶのは無駄に緊張します。当然、失くしちゃいけないし、間違えてもいけない。現金箱を開いたときに、手を滑らせてばら撒いたらどうしよう……なんて考えてしまいます。

とにかく携帯中も販売中も、常に不安とストレス。安心のために何回も数えてしまいます。でも……

移動販売における現金払いvsQRコード払い

 ヤクルトお姉さんにとって、現金を管理をするエネルギー(とストレス)は、ヤクルトの売上とは無関係です。それよりも、商品はそろってるか、定番とおすすめは何か、天気は晴れで風つよし、花粉症に困ってる人いるんじゃないか。どの商品をどうやって紹介しようか。せっかくポイントがつくし、ペイペイ使えますよとアピールしようか等など。

そうやって、どうすればお客さんに喜んでもらえるかを考えた方が良いのは間違いなくて。私がQRコード決済を使うことが、ヤクルトお姉さんにとっても嬉しいことなら、これは「利他的なテクノロジー活用」ではないかと思うのです。私の勝手な想像ではありますけれどね。

さらにおせっかいを承知で言うと、ヤクルト商品カゴにも「QRコード決済使えます!」や「ペイペイ使えます!」と、一枚紙が貼ってあると私は安心だなと思いました。実際、前の人が買ってる時にそうした張り紙がないかときょろきょろしたので。

ヤフーとLINEの経営統合という経済ニュースは、ペイペイユーザーへのポイントバック強化という形で身の回りにつながっています。その裏側には、サービサーのみなさんが使える場所を、少しでも増やそうと前々から活動されたに違いありません。ニュースと生活を結びつけやすい、考えがいのある体験でした。とにかく、ヤクルトさんグッドジョブ!でした。

キャッシュレスをはじめとしたテクノロジー活用を利他的に眺めてみれば、少し良い未来が見えてくるかも。結局、利は自分にも返ってくるはず。

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