気合いをいれなくていいエコなチョイス。ラベルレスボトルのUX
2021.05.26

気合いをいれなくていいエコなチョイス。ラベルレスボトルのUX

コーヒー、ときどき炭酸水

 昔からコーヒーが好きで、私の血液の半分はたぶんコーヒーです。家でもオフィスでも、毎日ガブガブ飲んでいました。在宅勤務が増えてからは、家でのコーヒー消費がさらに激増しています。スティックタイプの「インスタントコーヒー100本入りボックス」が、あっという間になくなる日々。自分でも「どれだけ飲んでんだ」と驚いたり呆れたり。

とはいえ、コーヒー続きではちょっと飽きがきたりもして、違う口にしたい時もあるわけです。そんなときの私のネクストチョイスは、炭酸水。これまでは飲みたくなったらコンビニやスーパーに買いに行く、という消費スタイルでした。けれど在宅勤務も常態化してきたこともあり、そろそろ家に備蓄しておくか、と思い立ちました。

どうせなら6本単位ではなく、ケースで注文しようと検索したところ、今まで気づかなかった新たな選択肢を発見したのです。

「商品」or「ラベルレス」って……なんだこれ?

ラベルレスとの出会い


 今まで「ラベルレス」というものを、見聞きしたことがなかったので、すぐには理解できませんでした。でも商品写真をみて納得。その名のとおり、ペットボトルのボディに貼られたラベルが「ない」商品のことでした。

一目見て「捨てる時に剥がさなくていいから便利!」と思いました。中身も価格も変わらないんだし、選ばない理由が思い当たりません。そのまま発注ボタンをクリックして注文完了。

「ラベルレス」、この機会にいくつか検索してみたら、既に色々な商品で展開されているようです。ニュースでも出荷量が増加していると取り上げられてたようす。いやあ、知らなかった。

気合を入れなくていい、エコなチョイス

 ペットボトルを捨てるとき。キャップを外して、ラベルを剥がして、水洗いして、という作業が発生します。当然ながら、面倒くさい。いいことなのは知っていますが、面倒くさいものは、面倒くさいのです。

各社各商品で、ラベルを剥がしやすくする工夫は見受けられます。でも、剥がす途中で斜めになってしまったり、剥がしたあとのシール跡が妙に気になったり、微妙にモヤモヤすることが多々ありました。その結果、飲み終わったあとのペットボトルを見ると、やや面倒な気持ちになっちゃうんですよね。作業する前から。

などと日頃から思ってたので、「ラベルレス」という(新)選択は、私にとってとても良かったです。自分の手間は減るわ、ゴミの量も減る。工場での工程も減るでしょうし、環境負荷も減る。他にも波及効果はいろいろ考えられます。

ラベルといえど、原料調達からデザインプリント、裁断加工、物流、包装……といったフローがあるはずです。必要としている人も機能もある(成分表示や中身の保護など)のでゼロにはなりませんが、可能なところではこうした環境負荷軽減の取り組みがあるのは歓迎したいなと思いました。

私がやることは、ただ「ラベルレス」の商品を選ぶだけ。別に価格が高くなるわけでもなく、ただただ負担が減るだけなので、全然エコのために気合いを入れなくてもいい。発注時に選ぶだけでいいなら、今後も可能な限りチョイスしていきたいなと思いました。

行動を続けたければ、ハードルを下げた方がいい

 環境によい取り組みって、ちょっと負担というか、プラスαの行動が必要と感じてしまうのはなぜでしょうか。ゴミの分別、リサイクル、エコバッグ。これらはユーザー側にプラスαの行動が求められるものです。捉え方次第、と言えなくもないですが、私にはどれも少しだけ気合がいるんですよね(意識が低くてすみません))。

ところが、この「ラベルレス」はどうでしょう。商品として消費した後、ゴミとして捨てる際のユーザー側の行動を「マイナス」してくれます。分別やリサイクルのハードルがぐーんと下がるのではないでしょうか。ハードルが下がれば、行動を新しく始めたり、負担感なく続けられることができます。

UXを損なわずに、問題も解決していく

 「環境に負荷がかかるから!」といって、嗜好そのものを我慢するのではない。「なんとか負荷を軽減しよう」と、面倒くさいことをし続けるわけでもない。まして、「環境に負荷がかかろうが、知らない!」と開き直ったりするのでもない。

「ラベルレス」は、ユーザーの体験価値を損なわず、むしろ向上させながらエコにもなる。その点がとってポジティブでいいなと思いました。

今の自分の購買・消費活動を続けた先に、自分や地域や自然を含めた環境がどうなっていくか……? そういった、普段の選択を見直す視点をもらったように思います。気合をいれず、無理のない範囲で、ずーっと続けられるエコなチョイスを与えてくれた、炭酸水購入体験でした。

必要な行動を繰り返すには、ステップを引き算してハードルを下げる。自分にとっても、相手にとっても。

関連記事