UXジャーナルが考えるUX
UXとは「User Experience」の略称で(なぜかEではなくXを使います)、日本語では「顧客体験」や「顧客体験価値」と訳されます。一般にはある商品・サービスのユーザー(顧客)が、その商品・サービスの購入・使用・消費などのプロセスで感じる「快・不快の体験の集合」と定義されています。では、メルカリを例にUXを考えてみましょう。
メルカリでは、
1.アプリで商品を撮影する
2.説明文を書く
3.値段を決める
4.出品する
といったオンライン上のUXもあると同時に、
1.商品を梱包する
2.購入者とやり取りをする
3.発送手続きをする
というオフラインでの作業もUXだといえますね。そう考えると、メルカリのサービス提供者はは、アプリを使いやすくするオンライン上のUXを高めるだけではなく、ユーザーがコンビニで発送するなどのオフラインにおいても、「便利・楽・快適」をいかに提供できるかが「UX(顧客体験価値)向上」には必要であるといえます。
このように、UXとはアプリやゲームなどのオンライン上で語るだけでは不十分で、オフラインやゲームの外でのユーザーの動きもUXとして捉えることが大事です。
バッグギャモンのUX
他にもバックギャモンという卓上ゲームなら、周囲で観戦している水たばこのおじさんが、あーだこーだと言っている中、サイコロを振って笑いあう、というシチュエーションも、バックギャモンにおける大事なUXと言えます。ですので、「オンラインゲームでできるのだから、もう外でバックギャモンはやらなくていいじゃん」という話ではない、ということです。
バックギャモンのユーザーを増やしたいなら、ゲームの中身だけではなく、今お伝えしたような「楽しみのシーン」、つまり所作や文化までを含めた魅力を感じてもらえるかが重要になります。それこそが「UXの向上」「(いい)UXの提供」です。
今の話を飲食店に置き換えると、食事のおいしさや接客だけでなく、お店をスマホで予約する際のUX、同伴者を待たせず(同伴者にバレずに)スマートに会計ができるUXも大事だということがわかっていただけたと思います。お店にスマホ用のサイトがあっても、「電話でしか予約できません」といったUXでは残念です。まだキャッシュレス決済に対応していないなら、キャッシュレス決済を導入するのも、UX改善の大きな一歩となるでしょう。
まずはUXの目利きができるサクサクユーザーになろう
以上のように、サービス提供側としてUX改善のアイデアを出すには、まず自分自身がサービスの受け手として、多種多様な「快・不快」「便利・不便」を体験(実感)し、UXの「目利き」ができる状態にならなければいけません。
すきま時間にスマホでお店やサービスを予約する便利さを(体験的に)知らない人では、自分のお店の不便に気づくことは難しい。つまり私たちは、顧客のUXをあげる「サクサクサービサー」になるために、まず自分自身が様々なUXを積み重ねた「サクサクユーザー」になることが大事なのです!