
仕事ができる人は、返事が早い。そんな話を、あなたも聞いたことがあったり、実感していたりするかもしれません。ぼくもメッセージの返信スピードは意識しています。
物事は「流れ」や「リズム」も重要で、それを止めたり、滞らせると、スピードはガタッと落ちてしまいます。リモートワークが進んだ結果、テキストメッセージのやりとりはさらに増えました。
チームのためにも、自分のためにも、テキストメッセージは日々繰り返すことなので、基本方針を立てておくと便利です。
無意識化するか集中するか
仕事の効率や生産性を高めるために重要なことは「無意識化」と「集中」です。熟練し、無意識化のレベルにまで達すると、さまざまなことが同時に行えます。いわゆる、マルチタスク化が可能になります。
しかし、現代の(特に価値の高い)仕事はクリエイティビティが求められ、なかなか無意識化するのは困難です。そのため、逆説的ですが一つのことに「集中」することが重要になります。
その場で、即座に返事をしなければならない連絡(メッセージ)は稀です。仕事中は定期的に集中タイムとして、オフラインの時間(スマートフォンの電源を切る)をつくることがおすすめです。そうすることで、短時間で密度の高いアウトプットができます。
もし、大事な連絡がありそうで仕事中にスマートフォンの電源を切ることに大きな抵抗がある人は、週に一度か二度、日中、映画館に映画を観に行ってみましょう。もちろん、上映中はスマートフォンの電源はオフに。
二時間くらい、音信不通になったところで、リカバリーできない問題などないことが実感できるようになるはずです。
早く見なくていいけど、早く返す
ぼくはメッセージはできるだけこまめに見ないようにしています。通知も極力オフにしておきます。メッセージが来るたびに、意識(集中)を取られ、仕事が中断するなんて、最悪以外のなにものでもありません。
だから、メッセージは届いても早く見ません。でも、見たらその場で返信(即レス)します。
そうすることで、以下のデメリットを回避できます。
(1)あとで見返す時間ロスが生まれる
(2)未処理タスク化することで脳のメモリが取られる
(3)相手に(待つ/考える)ストレスを与える
けれど、すべてのメッセージが即レスできる内容ではなかったりします。考えたり、調べたりしてからでなければ返信できない場合も少なからずあります。
そのため、まず届いたメッセージが即レスできるものかどうかを判別する力(ルール)が必要です。ぼくは「タスク」か「プロジェクト」かで判断しています。
タスクとプロジェクトの違い
「タスク」とは、やるべきこと、判断するべきことが単一のものを指します。メッセージの内容が「タスク」の場合、基本的には即レス可能ですのでします。
「プロジェクト」とは、やるべきこと、判断するべきことが複数あるものです。つまり二つ以上の「タスク」が複合したものが「プロジェクト」です。
メッセージの内容が「プロジェクト」の場合、別途時間をとって対応する必要があるので、すぐに処理できません。けれどその場合でも、レスだけはその場で行えます。
メッセージ内容が「プロジェクト」のときに、即レスできない人が多いので、参考までに今回はその際のぼくの基本ルールをご紹介します。
即レスの基本ルール
(1)メッセージは見たらその場で返す
(2)内容が「プロジェクト」の場合は、「ので構文」を使った2文で返す
(3)「プロジェクト」の実施日時をカレンダーに入れる
以上です。それぞれ解説していきます。
(1)についてはすでにお伝えしたので、(2)から。その場で判断して返信できる内容ではなかった場合、以下のフォーマットの2文で返信することを意識します。
動詞。
◯◯◯なので、△△△します。
例えば、
確認しました。
移動中なので、夕方までに対応します。
だったり、
わかりました。
打ち合わせ中なので、内容整理して明日返答します。
だったり、
見ました。
今判断できないので、考えて後ほど連絡します。
など。1文目は「メッセージ」の機能である「伝える」が達成されていることを相手に伝え、安心させるため。2文目はプロジェクトを処理するための「時間稼ぎ」です。
なぜ「〜ので」という構文を使うのかというと、心理学的に人は理由があると、それがどんなものであれ納得感が得られ、その後につづくメッセージを受け入れやすくなることがわかっているからです。そしてそれを表す言葉が日本語では「〜ので」になります。
そのため、「〜ので」に入る内容は、正直方便でも構いません。それよりも、即レスすることのメリットの方が大きいです。
スケジュールに入れることも忘れずに
ツァイガルニク効果で、未処理のタスクは記憶に残りますが、処理済みのタスクは簡単に忘れてしまいます。そのため、即レスしたらきちんと約束を破らないように、対応することをカレンダーや手帳などに書き入れておくことが大事です。
返信したことに満足して、肝心な対応を忘れてしまう人は、即レス癖がついているものの、その後の対応を予定化していないのではないかと思います。
メッセージのレスポンスが遅いと仕事が滞り、イライラし、ストレスを感じます。逆に早いと、それだけリズムに乗れて気持ちよく仕事を進めることができます。
オンラインや複数のチームで仕事をすることが、ますます増えていく人は、ぜひ参考にしてみてください。