1年使ってみて分かったオーディオブックのUX
2022.01.12

1年使ってみて分かったオーディオブックのUX

 オーディオブックを使ったことがありますか?

私は下呂市に住むようになってから、車に乗る時間が増えたこともあり「ながら読書」ができる Amazon のオーディブルを使っています。

オーディブルとは?

 オーディブル(Audible)は、プロのナレーターによる本の朗読サービスです。電子書籍を買うのと同じ要領で、音声ファイルを購入・ダウンロードし、専用アプリで再生します。月額1,500円(税込)の会員登録をすると、毎月一つコインが付与され、好きなタイトルと交換できます。コインは新たに追加購入することも可能です。

通勤、家事、運転、散歩などの時間を使って読書ができるので、忙しい方や、文字を読むのが苦手という方に適したサービスです。

オーディオブックがもらたした意外なUX

 もちろん読書量は増えました。
昨年オーディブルで読んだ(聴いた)本は24冊。平均すると月に2冊読んだことになります。他に電子書籍なども購入していますから、年間の読書量は40冊くらいになったかもしれません。

読書量の増加以外に感じた意外なメリットは、以下のとおりです。

(1) 朝の散歩が習慣化された

 オーディブルの最大の利点は「ながら読書」ができること。
もともとは下呂と名古屋を行き来する約2時間の運転時間を有効活用するために使い始めたのですが、今では毎朝の散歩の必需品となり、いつの間に「本の続きが聴きたいから散歩をする」状態になっていることに気がつきました。

実際に、冬の下呂の朝はマイナス5度以下になる日もありますが、続けられています。

朝の散歩は体内時計のリセット効果や、セロトニンの分泌が活性化されるなど、健康や仕事のパフォーマンス向上にも良い「最強のモーニングルーティーン」と言われているので、聴く読書によってこれが習慣化されたことは大きな収穫でした。

(2) 運転の価値が変わった

 実は、これまでの私は大の運転嫌いでした。
運転中は、電話もできない、メールやチャットもできない、読書もできない。そのため、運転時間が非生産的で非常に無駄な時間のように感じており、移動はもっぱら電車がタクシーでした。

しかし、今では運転中も読書ができるので、長時間の運転も全く苦にならなくなりました。先日、妻と福井までドライブをしたときに、車内でオーディブルを流していたのですが、二人で同時に同じ本を読んだ感覚になるため、帰り道はお互いに本の感想を言い合いながらあっという間に自宅に着きました(笑)

最近ではお気に入りの映画やドラマなどを、仲間にシェアして一緒に楽しむ「ウォッチパーティ」というサービスがありますが、それの読書版のような体験ができるのです。

(3) 小説を読むようになった

 Kindle などの電子書籍を、文字認識をさせて機械音声で読み上げるという機能がスマートフォンにはあるので、本を音で読むというのは、実はそれほど革新的なサービスではありません。ではオーディブルの特徴はというと、プロの朗読家が読んでいる点です。

さすがプロの朗読家だけあって、イケボ(イケてるボイス)なのはもちろん、抑揚をつけた語り口はむしろ読む読書よりも臨場感があるようにさえ感じられます。

そんな臨場感ある朗読にピッタリなのが小説で、以前はビジネス書や実用書しか読まなかったのですが、今では小説を読むようになり読書の幅が広がりました。

聴く読書でも理解できるか?

 これまで聴く読書のメリットだけを述べてきましたが、読者の皆さんが最も気になるの「聴く読書でも内容は頭に入っているのか?」ではないでしょうか。

従来の読書のように、付箋を貼ったり、ページを折ったり、途中でページを戻ったりができない、「聴く」ながら読書は、内容が頭に残りづらいのではないか……という気がします。

結論を言えば「人による」のだと思います。ただ、私個人としては「全く普通の読書と変わらない」という感覚です。

私は聴く読書の最中は、気になったキーワードは Google Keep や Notion などのクラウドメモアプリで単語だけをメモしておき、後で調べています。執筆などの参考図書にする場合は、本の要約ブログや YouTube チャンネルを見ながら、Mindmap などで本の内容を構造化して残しています。

「聴いたという行為」と「書いたという行為」「調べたという行為」を結びつけることで、シナプスが強化され記憶に定着しやすくなるため実践しています。

みなさんも「聴く読書」、ぜひ試してみてください。

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